【音がきこえるということ・音を聴くということ】
『そもそも「音」とは何でしょうか?』
音は振動です。 「音」は空気なら空気の、水なら水の振動がです。
振動にもいろいろあるのですが空気が押されたり引き延ばされたりする振動が
音です(これは縦波と呼ばれている波です)。水面の波のように上下に動いている波(横波)ではありません。
『音が聞こえるということ』
音のみなもと(たとえばものの振動)から発生した波が、人間の耳に届いて、神経がこれを
感知して、脳が処理をすることが「聴く」ということです。
この一連の処理をするところを「聴覚系」といっています。
音は耳の鼓膜で感じると思っていませんか?
たしかに鼓膜は音の振動に対して敏感ですが、音は鼓膜だけから認識されるもの
ではないのですね。
コンサートライブ会場などで大音量で音楽を聴くとき、耳だけで聞いていますか?
体全体が音の振動に揺すられて、音を感じていませんか?
この快感が忘れられなくてライブ通いが病みつきになっている人もいると思います。
このように音は体の様々なところで聞くことが出来るのです。振動がうけとめられれば
音として聞くことができるのですね。
『音の性質』
音は空気とか、音が伝わる物質(媒体といっています)の振動です。
空気中では、温度が20度くらいの時に1秒間に340m位進みます。
この音の速さは音を考えるときに大切ですから覚えておいてください。
水の中では音は空気中よりも早く伝わります。
音は、「音の大きさ」、「音の高低」、「音の音色」で特徴つけられますね。
「音の大きさ」は振動の大きさです。「音の高低」は音の振動の動きの速さ
ですね。早くうごくと高い音に、遅く動くと低い音になります。
この、振動の動きの速さは「周波数」と言われています。「周波数」とは
1秒間に何回振動するかの「振動の回数」です。
「音の音色」は何でしょう?「音の高低の変化」とか「様々な音の混じりあい」
が音の音色をつくっているようですが、「音の音色」を一言でいうのは
難しいのです。
『音の方向を聞き分けるということ』
音を聞くとき、右からの音とか、上からの音とか分かりますね。
どうしてこのような事が分かるのでしょう。ねそべっている猫とか犬とかをみていると
音の方向に耳だけをを動かしてしませんか? 音のする方向からの情報をたくさん
集めようとしているのですね。人は耳を動かしたりはしませんけれど、どちらから
音が聞こえてくるのかはわかります。 なぜでしょう?
音の方向は届く音の波の大きさと届く時間の差を利用していると考えられています。
頭の大きさより短い波は頭によってさえぎられてしまうので右からの音は
右耳にだけ入ってきて左耳には入って来ません。頭の大きさより長い波は頭によって
さえぎられてしまうことがないので右耳に入った音は頭を通過して左耳にも入り
ます。この情報を脳が処理をして音の方向をきめているのだと思ってください。
空気中では音は1秒間におよそ340m進みます。両耳の距離は人にもよりますが15cmとか17cmとかですね。
そうすると両耳の音の感じ方の時間差は千分の5秒くらいになります。斜め前からの
音などではこの時間差はもっと小さくなりますから人は1万分1秒くらいの音の信号を
聞き分けていることになります。すごいですね。
ひとが聞くことの出来る音の高さは周波数で2万ヘルツとか言われています。
この音は1秒間に2万回振動している波ですから大体前にお話しした時間差から
考えた信号処理能力と同じですね。つまり人はこのくらいの振動を感じ分ける
ことができるようです。
ところで左右の音は右耳と、左耳に入って来る音の振動を聞き分けることで
区別しているようですがこれを「両耳効果」と言っています。
では上からの音、とか下からの音はどうやって聞き分けているのでしょうか?
真正面からの音は両方の耳に同時に入ってくるので、それは真正面からの音
であることが分かりますが、真上からの音はどうでしょう? 真上からの音も
二つの耳に同時に入ってきますが、人は真正面からの音とは区別して聞き分けて
います。
この理由は確実には分かっていないのだろうと思いますが、いわゆる「耳」で音を
集めるとき前後・上下・左右で対称でない複雑な形をした耳(耳介と言いますが)
で音の来た方向に特有な音色がつくられて耳の穴(外耳道)に音がはいるのだろうと
思われています。この音色の微妙な違いを脳が記憶をしていて、瞬時に方向性を
割り出すのだと思います。いうならば「耳介形状効果」と言えると思います。
ここまでの話で音という物理現象(媒体の振動)を聴くためには単純な物理的な
相互作用だけではく、神経や脳が働いて音を聴くことができるのだということが
お分かりいただけたと思います。

音を聞くと言うことは精神的、心理的な作業でもあったわけですね。
『音を聴くのは精神的作業』
駅のざわざわした中で、目的の放送だけを聞き分けたり、大勢のひとが
わいわいしゃべっているなかで特定の人の音声だけを区別して聞き分ける
ことができるということは、みなさんは経験でご存じだと思います。
これは「カクテルパーティ効果」として知られているのですが、目的の
音を聞こうとするとその他の音は「雑音」としてしか認知されないのです
ね。つまり音を聴くことはすぐれて「精神作業」であることが分かります。
自然現象である音と、それを聴く人。
不思議な関係がなりたっていたのですね。
これで、【音がきこえるということ・音を聴くということ】のお話は終わりです。
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munakata yoshinori 1999